【Renoise】ループ・サンプル素材をBPMに合わせる方法【擬似シンク・完全版】
こんにちは、ルノです。
Renoiseで役立つ便利なテクニックをまとめて発信するブログを運営しています。
- DTM歴7年目(2013年から)
- 2019年10月、ドイツ・ベルリンに開発拠点を置くRenoise公式アーティストに認定。
- 現在は、サウンドプロデュース業を中心に活動をしている。
- その他、Renoiseでの操作方法や技術を発信しつつ、メンター業も並行して行っている。
今回の解説の対象者ですが、
Renoiseの “LPB(Line Per Beats: ライン・パー・ビーツ)” 、この数値を “16” (1拍分を16ラインで細分化)に設定されている方を対象とします。
ご注意ください。
LPBとは
1拍分をプレイカーソルがどれくらいの長さで進むか設定する項目です。
- LPB16ついては以下の記事で詳しく解説をしています。
併せてお読みください。 - LPBの数値を16に設定する【メリット】
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今回この解説で得られる、メリット。
RenoiseではサンプリングCDを多く取り入れる音楽スタイルが多く存在します。
中でも“ループ・サンプル素材”を多く使用している方にとって、BPMとの連動は必要になるでしょう。
- ループ・サンプル素材の再生速度であるBPM(テンポ)を測る必要なしに、サンプル・コマンドを使うことで、
Renoiseの “BPM” に、 “完全に同期” させることができる。
ループ・サンプル素材とは
様々なリズム楽器を、“1小節(例外として1拍や2拍分もあります)”、“2小節”・“4小節”・“8小節”・“16小節” で一塊りにして纏めた物のことを言います。
例として、パーカッション系のリズムや、ハウスビート、ハイハット・ループ、ドラムのフィル、等が挙げられます。
ループ・サンプル素材 自体には通常、
決まった再生速度(BPM・テンポ)が設定されています。
その再生速度となる “BPM(テンポ)” の数値は下記の一例の様に、サンプリング素材そのものに表記されている場合があります。
たとえばこのように、
“sample_xx_bpm130.wav”
となる場合はループ・サンプル素材の速度が、
“テンポ(BPM)・130” で再生されることとなります。
(注意: 必ずしも、上記の様な表記ではありません)
しかし中には、ループ・サンプル素材自体にBPMが表記されていない不親切な場合” もあるのです。
たとえばこのように、“sample_xx.wav”、となっている場合、
“テンポ(BPM)” が不明ですね。
(注意: 必ずしも、上記の様な表記ではありません)
このような、ループ・サンプル素材の場合は、自力でBPMを測るしかありません。
手動でBPMを測る方法がありますが、とても面倒です。

怠け者ブロガー「BPMが表記されてないよー!。どうやって調べればいいのかなぁ。」
そのため、ループ・サンプル素材のBPMが把握できないまま入力をすると、
そのループ・サンプル素材はRenoiseの楽曲のプロジェクトで設定したBPMと違う場合、“必然的にメトロノームのカウントともズレて再生されてしまう” のです。
試しに、ループ・サンプル素材を使い、RenoiseのメトロノームをONにして音声で確認してみましょう。
以下のループ・サンプル素材を用意しました。
メトロノームOFF(適用前)の状態で確認してみます。
メトロノームON(適用後)、テンポ(BPM)は “BPM80” で確認することとします。
メトロノームのカウントと、ループサンプル素材の速さがズレていることが確認出来ますね。
また、先程触れたループ・サンプル素材そのものの、BPMが把握出来ていたとしても、
Renoiseで設定しているBPMに、そのループ・サンプル素材のBPMを合わせなければ、必然的にズレてしまいます。
問題点
ループ・サンプル素材にBPMが表記されていない場合、そのループ・サンプル素材のBPMとRenoiseのプロジェクトのBPMを合わせる必要があります。
またループ・サンプル素材にBPMが表記されている場合であっても、ループ・サンプル素材の速度を、Renoise側のBPMと連動させない限り “崩れて再生されてしまう事” となります。
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擬似シンク方法
この問題を解決させるために、最適な方法の一つをご紹介します。それは、
“0Sxx(trigger sample slice number xx or offset xx)コマンド” を使用した、
応用的なテクニックである、「 “擬似シンク方法” 」 です。

-
「擬似シンク方法? なにそれ美味しいの。」
そう思われた方もいるとおもいます。
先程までメトロノームのカウントとズレが生じていた”ループ・サンプル素材”もこのようにテンポ(BPM)と合致して再生してくれます。

- 「コマンド… なんだか難しそう」
- 「コマンドってなんかだるい…」
こんなお悩みを持っている方だからこそ、「”擬似シンク方法”」 を覚えることで、サンプル・コマンドへの抵抗も減らす事が出来ます。
- メリット①: 16進数がわかる!
- メリット②: 不思議なリズムパターンを生成することが出来る。
- メリット③: サンプル・コマンドのノウハウを一気に習得することが出来る。
「サンプル・コマンドを使うことに慣れていない。」
安心してください。
この解説で全てを理解出来なくても、解説通りに沿って入力していくことで、すぐに仕組みを理解することができます。
また、一度設定した擬似シンク方法で使われる、サンプル・コマンドを何度も入力することはないので、この方法を知り得ることにより、1小節分のループサンプルをBPMを変動させても自由に”ループ・サンプル素材”の速さも調節することが可能になります。
この方法を覚えて、どんどんサンプル素材を使い込みましょう!
STEP1: Song Options・ハイライト設定変更、ロードサンプルの確認
Renoiseを起動します。
実際に入力する打ち込み内容を確認しやすくするために、
“Song Options” の設定を変更します。
“Song Options” の“ハイライト設定”は任意です。
この設定自体では入力内容が直接的に変化することはありません。
LPBの数値を “16” で行う場合、この設定を変更することで、16分音符(4ライン分)毎に “ハイライト線” が敷かれるため、16分音符での直感的な入力に適してます。
以下の2つの手順で設定の変更を行ってください。
①“メイン・メニューバー” -> “Songメニュー” -> “Song Options” の順で開きます。

②“Song Options”パネルを開いたら、“Highlighting & Default”の設定、“Highlight every xx lines”のプロパティを、“LPB”から“4 line”に変更します。

ハイライトの変化: “LPB(適用前)” の状態。
- Highlight every xx lines”のプロパティが “LPB” であると、1拍分としてハイライトが適用されるため、発音の整理が難しい。

ハイライトの変化: “4 line(適用後)” に変更後、
ハイライトされる箇所が増える。
- “4 line” に適用後、4ライン毎(16分音符単位)にハイライトが増え、発音の管理がしやすい。

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STEP2: サンプルのロード
今回はRenoiseに同梱されている、ループ・サンプル素材を使います。
- Renoiseのディスク・ブラウザパネルから、
Songs | Instr. | Samples | Other の “Samplesタブ” を開きます。 - “Renoise/V3.2.2/Library/Samples
/Breaks/SM101_brk_animal break_140bpm” を、ダブルクリックでロードして読み込みます。
”SM101_brk_animal break_140bpm”

今回はこちらの“ループ・サンプル素材”を使用して解説していきます。
気付かれた方も多いと思いますが、
”SM101_brk_animal break_140bpm”
こちらのループ・サンプル素材には素材名の後ろに、
確りと “140bpm” と表記されていますよね。
- もしあなたが、Renoiseで現在制作している楽曲のBPM(テンポ)が、
BPM(テンポ): 140 であれば、そのまま入力をしてもループ・サンプル素材のテンポとRenoiseのテンポ(BPM)が崩れて再生される事はありません。 - ですが、大半の場合、Renoise側のBPM(テンポ)に、「”擬似シンク方法”」 を使ってループ・サンプル素材のテンポ(BPM)を合わせる必要があります。
- 「”擬似シンク方法”」 を適用することで、ループ・サンプル素材に設定されたBPMに限定することなく、Renoise側で自由にBPMを指定可能になるため、
まるで “タイムストレッチ効果” のような擬似的な再生が可能になります。
「”擬似シンク方法”」、の一番のメリットは、
ループ・サンプル素材のBPM(テンポ)が判らなくても、
即座にRenoiseのBPM(テンポ)と連動させられる。
オクターブ設定の変更
Renoise画面上部、 “トランスポート・コントロール(コントロール・パネル)” にある、”Oct(オクターブ設定)” の数値を、数字の “4” に設定してください。

これは、先ほど “ディスク・ブラウザパネル” から読み込んだ “ループ・サンプル素材” を、PCキーボードを使い通常の速度で再生するために必要となります。
必須の設定ですのでお忘れなく。
小節の長さを確認する
ループ・サンプル素材の小節数を測ります。
インストゥルメント・セレクター画面から、“小節の長さ(小節数)” を“確認したいループ・サンプル素材”に、マウスカーソルを合わせます。
”SM101_brk_animal break_140bpm”
今回は先程、ロードして読み込んだ、こちらの“ループ・サンプル素材”の小節数(小節の長さ)を測ります。

【ポイント】
大抵の場合ですが、“ループ・サンプル素材”は、長くて8小節分または4小節分か2小節分、短くて1小節分、さらに短いと2拍分の小節の長さ(小節数)である可能性が多いです。
ロードしたサンプルの小節の長さ(小節数)を、この後に解説する “小節の長さの確認方法” を使い確認しましょう。
小節の長さの確認方法
パソコンのキーボードの “Zキー” を押して、再生しながら、「”SM101_brk_animal break_140bpm”」、のサンプルの小節の長さ(小節数)を測る、確認方法をご紹介します。
先に、この “ループ・サンプル素材” が “何小節分” であるのか、答えを言います。
4小節です。
声に出して測る方法: 「”うんちゃ”」
4分の4拍子を、「”うんちゃ”」と“声に出しながら測る”シンプルな方法で行います。
“うん”で(1拍目が経過)、“ちゃ”で(2拍が経過)を取ります。
この「”うんちゃ”」が2回連続で重なると1小節分になります。
- うんちゃ、うんちゃ | うんちゃ、うんちゃ | うんちゃ、うんちゃ | うんちゃ、うんちゃ
今回の“ループ・サンプル素材”では、「うんちゃ、うんちゃ」が、4回連続で?重なりましたね?
このことから、この “ループ・サンプル素材” は4小節である事が確認できました。
- 今回は、4小節分の長さの“ループ・サンプル素材”を使用する前提で解説を進めていきます。
- 32小節分・16小節分・8小節分・2小節分・1小節分、この長さであれば、同じ要領を使って、「”擬似シンク方法”」を適用する事が出来ます。
それでは次の行程に移ります。
STEP3: サンプルの分離
☑️前の行程で、サンプルの長さが確認できました。ここからは、
4小節分の長さのサンプルを、最終的に1小節分にカットし小分けにする行程となります。
注意
- もしあなたが既に、他のサンプルを使用していて、“STEP1”の行程で“1小節分”の“ループ・サンプル素材”と確認が取れた場合には、今回の “ステップ2” の行程は必要がないので “ステップ3” に進んで下さい。
- また2小節分の“ループ・サンプル素材と確認が取れた方のみ、このSTEP2の⑨から行ってください。
①”サンプル・エディター画面”を開きます。
②”スナップツールボタン(Snap)” をオンにします。
サンプル・エディター画面内に設置されている ”スナップツールボタン(Snap)” をオンにします。
“Snap” は、この後に設定する目盛を基準にグリッドをしてくれる機能です。
OFFの状態

ONの状態

③“0S Effect“を選択します。
”スナップツールボタン(Snap)”の横側に設置されている選択メニューを開き、9つのドロップダウンメニュー内から、上から2番目の “0S Effect“ を選択します。

“0S Effect”を設定することで、サンプル・エディター波系画面上部の目盛が変化します。
サンプル・エディター波系画面上部の目盛の変化(画像)

- ”0S Effect” は、今回の行程で必要になる、1小節分に落とし込むために必要になる、重要な目盛となります。
④”0S Effect”の目盛に注目。
”0S Effect” の目盛を使いサンプル素材の波系上部にある目盛に注目します。
(4小節分のサンプルの長さである事を再度確認して下さい)
”00~F0”と目盛がある中で、中央の目盛の “80” にポインタ(もしくは右クリック)でクリックをし、お使いのPCのパッドやマウスホイールで ”ズームイン” して下さい。
【ポイント②】
この中央の目盛である “80” となる部分は4小節の内の、3小節目の先頭となります。
⑤”0S Effect”の目盛の “80” 、ぴったりにカーソルを合わせます。
右クリックを離さずに、右方向にスライドを移動し範囲選択部分を広げます。

【選択部分に注意】
- “モノラル波形” or “ステレオ波形”の2つの波形の種類があります。
- 「“ステレオ波形”」 の場合、片方のチャンネルのみをカットしてしまわないようにカーソルは “L・左チャンネル”(波系上部)、“R・右チャンネル”(波系下部)とある 「“上下の間の中央から右に移動し選択範囲を広げる”」 ように注意しましょう。


“⑥少し広げ終えたら、お使いのPCのパッドやマウスで ”ズームアウト” をしてください。”

⑦ “範囲選択部分” の右端にカーソルをあてると ←→(下図) の様なポインタに変化します。

このポインタを使いサンプルの右端まで一気に選択範囲を広げましょう。

⑧ “2小節分” の範囲選択が選択されたので、こちらををカットをします。

サンプル・エディター画面での選択範囲、カットのキーボード・ショートカットキーはこちらです。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “X”
- Mac: “Command”を押しながら “X”
【ポイント③】
冒頭でも申し上げたとおり、”0S Effect” の “目盛: 80” は、今回の “ループ・サンプル素材” では、元のサンプルの長さが4小節分であるため、 “3小節目の頭” にあたります。
⑨ “インストゥルメント・セレクター” の空きスロットを増やす。

“インストゥルメント・セレクター” に、マウスカーソルを右クリックして持っていきます。
“+(スロット追加・プラスマーク)” を押して、元のループサンプル素材から、1つ分空けて、先ほどカットした2小節分の範囲選択分を、ペーストします。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “V”
- Mac: “Command”を押しながら “V”
現在、2小節分のサンプルが2つに分離しました。
⑩2つの種類の2小節分のサンプルを、さらに1小節分に小分けに分解します。
再び、先程の④から⑨までの行程と同じ要領を使い、
今度は、“2小節分”にカットしたサンプルを、さらに1小節分に小分けに分解し、
全部で“4種類分”の1小節分のサンプルパターンを用意します。
(2小節分の方は2種類分となります)
サンプル中央の80(ハチゼロ)が今度は2小節分のうちの、2小節目の先頭となります。
80(ハチゼロ)を基準に“1小節分”に、それぞれカットをします。
【“前半”の“2小節分”の“1小節分”をカット】
- ”0S Effect” の目盛を使いサンプル素材の波系上部にある目盛、“80(ハチゼロ)にズームイン。
- 中央の目盛、“80(ハチゼロ)” をクリック。
- 右方向に少しスライドを移動し、範囲選択部分を広げます。
- 少し広げ終わったら、”ズームアウト” をしてサンプルの右端まで選択範囲を広げ切ります。
1小節分を範囲選択している状態で、カットをします。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “X”
- Mac: “Command”を押しながら “X”
先ほどの、⑨の行程で “インストゥルメント・セレクター” の “+(スロット追加・プラスマーク)” を押して開けていた、“前半2小節分”と、“後半2小節分”の間のスロットに、“前半”の“2小節分”を“1小節分”にカットした選択範囲部分をペーストします。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “V”
- Mac: “Command”を押しながら “V”
を押してペーストを実行します。
【“後半”の“2小節分”の“1小節分”をカット】
今度は後半の2小節分を1小節分にカットし、その1小節分の選択範囲部分をインストゥルメント・セレクター画面の3小節目(3パターン目)の“直下”にペーストします。
- ”0S Effect” の目盛を使いサンプル素材の波系上部にある目盛、“80(ハチゼロ)にズームイン。
- 中央の目盛、“80(ハチゼロ)” をクリック。
- 右方向に少しスライドを移動し、範囲選択部分を広げます。
- 少し広げ終わったら、”ズームアウト” をしてサンプルの右端まで選択範囲を広げ切ります。
1小節分を範囲選択している状態で、カットをします。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “X”
- Mac: “Command”を押しながら “X”
・“インストゥルメント・セレクター画面” から2小節分を1小節分にした後半の3小節目にあたる元の3パターン目をクリックします。
・“+(スロット追加・プラスマーク)” を押します。
・追加され増えたスロットに、先程カットした1小節分を、ペーストします。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “V”
- Mac: “Command”を押しながら “V”
を押してペーストを実行します。
以上で先程まで4小節分の“ループ・サンプル素材”であった“4小節分”が“1小節分ずつ”に小分けに分離されました。
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STEP4: パターン・エディター入力
パターン・エディターに戻りましょう。

パターン・エディター画面内の“下部分(パターン・ツールバー / パターン・コントロール・パネル)”に注目してください。

最初に、実際にパターン・エディター画面内で入力を行うための補助的な準備をしていきます。
①エディット・ステップ設定(ステップ入力)と呼ばれるプロパティの数値を変更します。
【ステップ入力とは】
- エディット・ステップ設定で指定された数値に基づき、パターン・エディター画面内で入力を行う際に、
その指定した数値の分だけ自動的にジャンプして入力をしてくれる便利な機能です。
今回の解説では、
サンプル自体の入力、あわせて0Sxxサンプル・コマンドを “2ラインずつで配置” を行います。
ですので、“エディット・ステップ設定”のプロパティの数値を、数字の “2” に設定する必要があります。
他の数値が設定されている場合、変更する必要があります。
ここで、エディット・ステップ設定のプロパティの数字の値を変更する為の便利なキーボード・ショートカットキーを覚えておきましょう。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “キーボードの数字の2(指定したい数値)”
- Mac: “Command”を押しながら “キーボードの数字の2(指定したい数値)”
このショートカットキーを実行する事によって、エディット・ステップ設定のプロパティの数値が、数字の “2” に変更されたかと思います。

②“エディット・ステップ入力”を使って、サンプルを入力しよう。
それでは、先ほどの4種類のサンプルの1種類目を、エディット・ステップ設定を使い、2ラインずつで入力していきます。
・インストゥルメント・セレクター画面で先ほど、“1小節分”に小分けに分離したサンプルの1番最初のパターンをカーソルで選択します。
・“ESCキー”を押して入力モードを起動します。
・Zキーを長押しし、ラインナンバー62まで入力して下さい。
・繰り返し、後の3種類を同様に入力します。
【ショートカット】
ここで、“F13キー”がある方、限定となりますが、便利なキーボード・ショートカットをここで紹介します。
- ・SHIFTキーを押しながら “F13キー”を押します。(Mac, Windows共通)
- ・するとパターン・ツールバー(パターン・コントロール・パネル)の、“パターン・ラップ・モード”がONになります。
OFFの状態

ONの状態(ボタンが点灯する)

このショートカット機能は、1つのパターンエディター画面内で、最後まで入力をし終えたら、
自動的に次のパターンの先頭に遷移してくれる機能です。
すなわち今回の場合、パターンの最後まで1種類目の1小節分を入力し終えたら、パターン・マトリックスを使って入力をする空のパターンに、わざわざ切り替えをしなくても、インストゥルメント・セレクターで“2種類目のパターン”、“3種類目のパターン”と切り替えをするだけで、入力がスムーズに行えることになります。
・この要領を使い、インストゥルメント・セレクターで4種類の1小節パターンを切り替えながら、全ての1小節分の種類のパターンを入力していきます。

・4小節目(ラインナンバー62)の最後まで入力が終わりましたら、再び“SHIFTキー + F13キー“を押して“パターン・ラップ・モード”を解除をして下さい。
(この状態に戻して下さい)
③エフェクト・コラムの入力
・続いて、エフェクト・コラムの入力編集になります。
(筆者はFXレーンと呼びますが、正式にはエフェクト・コラムです。)
エフェクト・コラムでは、4つのカラムから成り立つコマンドを実行できます。
・今回は“サンプル・コマンド”である、”0Sxx(trigger sample slice number xx or offset xx)”を入力します。

・まずは、再びエディット・ステップ設定が数字の “2” の値である事を確認し、
左から二番目のカラムを使い、「“Sコマンド”」を下図の様に、
「”2ラインずつ”」で1小節分(ラインナンバー62まで)入力します。

・入力を終えたら、パターンの先頭に、マウスホイールやパッド・十字キーを使って戻りましょう。
④十の位を変更していきます。
・次に左から3番目のカラムの00、こちらの十の位の行に、16進数を使い、
“0からF(0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, A, B, C, D, E, F)”までを、2つずつ、2ラインずつで、“ラインナンバー62”まで、ステップ入力をします。

- 00, 00, 10, 10, 20, 20, 30, 30, の様に ”十の位のみ” を2ラインずつで入力します。
・最後まで入力が出来ましたでしょうか。エディット・ステップ設定で数字の“2”での入力は以上となります。
⑤一の位を変更していきます。
・エディット・ステップ設定の数値をショートカットキーを使い、数字の “4” に変更します。

- Windows: “Ctrl”を押しながら “キーボードの数字の4”
- Mac: “Command”を押しながら “キーボードの数字の4”
・この工程では、現在“十の位”で“0からF”を使い“2ラインずつ”で埋め合わせをしている、“0Sxx(サンプルコマンド)”の中間、00, (“00”), 10, (“10”), 20, (“20”) を、一の位を使用し数字の “7” を入力し補間していきます。
- 変更前(before): 00, (“00”), 10, (“10”), 20, (“20”)
- 変更後(after): 00, (“07”), 10, (“17”), 20, (“27”)
このように、 “4ラインずつ刻み” に数字の “7” を入力する必要があります。
・パターン・エディターのエフェクト・コラム先頭(小節先頭)から、矢印カーソルまたはマウスやPCのパッドを使用し、“2ライン分(32分音符分)”、下(した)に移動します。

・エフェクト・コラム(”右端”)の “0Sxx” の、一の位(0Sx “x”)に移動しましょう。
・再度、エディット・ステップ設定の数値が “4” に設定されている事を確認しましょう。
・数字の “7” を、“Zキー長押し”をして、1小節分(ラインナンバー62まで)”0Sx7″を配置しましょう。

- 1小節目はこれで、BPMに合わせて綺麗に“ループ・サンプル素材”の速さが連動されている事がわかります。
- スペースキー(再生)を押して確認してください。1小節目の擬似シンクの適用は完了しました。
⑥全ての小節に「”擬似シンク(エフェクト・コラム)”」を適用しよう。
・1小節目の “エフェクト・コラム(擬似シンク)” の先頭に移動します。
・マウスカーソルで1小節目のエフェクト・コラム(擬似シンク)を選択し、パターン・エディターの最後まで、範囲選択します。

・次に範囲選択された、エフェクト・コラム(擬似シンク)をコピーします。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “C”
- Mac: “Command”を押しながら “C”
・コピーをしたエフェクト・コラム(擬似シンク)を、Renoiseの“パターン・マトリックス画面(左側)”を使い、他の小節に切り替えをしながらペーストしていきましょう。
- Windows: “Ctrl”を押しながら “V”
- Mac: “Command”を押しながら “V”
⑤検証
・実際に、RenoiseのBPMと、 “ループサンプル素材” の “テンポ(BPM)の速さ” が、合わさっているかどうか確認をします。
・トランスポート・コントロール(Renoise画面上分)にある、BPMのプロパティを、今回は試しに、BPM: 300(お好きな値でも可能です)に設定しましょう。
・トランスポート・コントロールにある、メトロノームをONにして確認してみましょう。
・ここで、ループサンプル素材の速さがRenoiseのBPMと一致して連動し崩れていないことを確認します。
これでついにBPMとの擬似シンクが完成しました。大変お疲れ様でした。
応用エディット
RenoiseのBPMに、今回ご紹介した「”擬似シンク(サンプル・コマンド)方法”」を使って、連動させた“ループ・サンプル素材”のリズムを、アクロバティックに変化させる方法をYouTube版で解説しています。
もしよろしければご覧下さい。
【YouTubeでの解説動画】
いかがだったでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
執筆者: Maya